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『山の神』 小さく復活 ~復活までの想いと経緯~

毎年12月12日は大鳥で伝統的に行われてきた「山の神」行事の日。

 

かつての大鳥では、山を仕事場とし、そこで安全に作業ができるようにと、寿岡集落にあるお宮のさらに山奥にあるお宮で「山の神」に祈りを捧げ、お神酒(おみき)を飲み交わし、白餅を頂いていた。

前日の12月11日の晩から、夜潜り(よもぐり)をして集落の仲間と飲み続けているようであった。

※夜潜り(よもぐり):一晩中お酒を飲み交わす。

 

 

明治・大正の時代の大鳥の「山の神」のメインイベントと言えば丁半博打。(サイコロを使った賭博)

しかも、掛けるお金の額がハンパはなかったみたいです。

博打で負けたら、一晩のうちに山を失ったり、田んぼを失ったり、炭焼き窯を失ったり…

 

今では考えられないようなことが行われていたみたいです。

 

昭和に入ってから(今、大鳥に生きている人たちの世代)は、掛ける金額もかなり少なくなり、一回1,000円程度だったとのこと。

賭博はお遊び程度の娯楽に変わり、みなで楽しめるような格好になっていたようですね。

 

 

しかし、エネルギー革命によって鉱山や炭焼き、林業が廃れてしまい、「山の神」の行事も自然とみなで集まって行うことをしなくなってしまった。

今日に至るまで、各々がお宮に行ってお祈りしたり、狩猟メンバーが集まって続けられているような格好で続けられていた。

 

 

現在の寿岡の駐在員(自治会長)の声かけで12月11日の夜7時、寿岡地域の人たちが集まり、「山の神」行事を復活させた。

 

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寿岡防雪センターの前

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お宮がある方向に向けてお祈り…

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お宮で太鼓を叩く駐在員。

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ロウソクの火だけがお宮を照らす。幻想的な光。

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「山の神」行事で必ず食べる白餅。その他の料理もオードブルではなく、全て持ち寄りのお手製料理。

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みな思い思いに山のこと、大鳥のことを語らった。※勿論、博打はしていません、昔話に花を咲かせただけです。笑

 

 

行事も終盤に差し掛かった頃、声かけをした寿岡の駐在員が「山の神」復活への思いを語ってくれました。

 

「大鳥に来た19年前に地域の人からこういうお宮があり、「山の神」がいるんだよ!ということを地元の人に教えてもらい、よくよくお宮に通っていた。

思い返してみれば都会にいるときは日本人が何に祈るか、なぜ祈るかが正直わからなかった。

 

でも、大鳥にきて、山のモノで暮らしている人がいた。

山菜があって、キノコがあって、冬は暖房になる薪を使ったりして生活を成り立たせていることに対して、ただあるから貰っていると言うことでは済まない。山に命が繋がれているというところがあるから、どこかに感謝・お礼・気持ちだけでも捧げなきゃいけない、と思った。

この気持ちが、「山の神」に対して日本人が持っているものだなぁと思った。

 

これから地域おこしをやろう!って時に、山への祈りを捧げること、山への感謝が僕たちの一番心の支えとなるなぁと思い、やりたいと思った。」

 

 

山で仕事をし、山で暮らしてきた大鳥の人たち。

炭焼きや鉱山の山仕事が衰退してからは「山の神」行事は各々で続けられてきた。

 

しかし今年は集落の人たちが集まり、互いに顔を合わせながら酒を飲み、「山の神」に感謝しながら楽しいひと時を過ごすことができた。

 

大鳥には、山に生かされているという感謝・祈りの日々が息づいている。

それが、ここに住む人たちが一番根っこに持つモノで、大切に守ってきたモノなのだと思う。

 

守るものがあり、それを自信・誇りに思い、過去から今に至るまで繋いできた伝統・文化。

そんな大鳥の「山の神」が、これからも続けられていきますように…

 

 

最後に、駐在員が地域に呼びかけを行った際に配った呼びかけ文章を載せ、筆を起きたいと思います。

 

「山の神」に寄せて

さかのぼるほどに歴史の闇に覆われてしまうと言われる、古い起源を持つ「山の神」。

日本列島の地形・風土・生活が導いたに違いない祭と信仰。

山を糧として生きてきたこの大鳥にもそれは受け継がれ残っています。

今地域を見直しながら里山の復活を願う時、ここで生きる者達、これから新しくこの地で生きる者達、すべての暮らしの考え、原点として「山の神」を思わずにはいられません。

取り敢えず12月11日(水)「山の神」前夜祭として集まり、山の生活の行事としてその恵み、感謝、祈りを捧げ語らいの場としたいのです。

大鳥における「山の神」の歴史・風習・逸話などお聞かせ下さい。

神社へお神酒を上げ、その後寿岡防雪センターを会場として用意します。

時刻は夜七時頃

寿岡 駐在員

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